文系AIのビジネス分解
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断られた​見積書を、​AIが失​注理由ごとに​読み​分けて​1社ずつ​違う​文面で​掘り起こし​始めている

営業AIの使い方見立て:やる価値あり読了 5分
3行で
向く会社
見積もりを出したまま返事がない案件が、何十件も残っている会社。
見立て
やる価値あり。棚卸しと分類の費用はほぼ人件費だけで、外れても損失が小さい。
最初の一手
直近1年分の失注見積もりをリスト化し、理由を一言でタグ付けする。

月曜の朝、​返事のない​見積書が​何十件も棚に眠っている

見積もりを出しても、返事がないままです。製造や建設、卸の会社だと、よくある話ですよね。断られた案件はExcel(表計算ソフト)の一覧に残ります。営業担当の頭の中だけに残ることもあります。どちらも、しばらくすると誰も見返しません。

これがもったいないとは、営業の世界で昔から言われていました。日経xTECHが紹介した米調査会社シリウスディシジョンズの調査が、その代表です。才流やailead.appの記事も出ています。掘り起こし(過去の案件への再提案)の手順をまとめたものです。

失注(受注を逃すこと)の理由を分ける枠組みもあります。start-link.jpが公開しています。ただ、どれも過去の記録の読み返しと仕分けが必要でした。手間が重く、後回しになりがちでした。その手間を生成AI(文章などを作る人工知能)に渡す話です。

失​注理由の​仕分けと​下書きが、​生成​AIの​仕事になった

これまでの掘り起こしは、だいたいどちらかでした。失注した案件の一覧に、一斉に同じ文面を送ります。あるいは、電話営業が古い記録を頼りに掛け直します。理由を見ずに送るので、反応は薄いです。電話は担当者の勘と体力に頼っていました。新しいやり方は違います。

見積書・商談の記録・メールのやり取りをAIに読ませます。失注理由を5分類に仕分けます。価格・競合・タイミング(時期)・機能・自社対応です。理由別に切り口を変え、1社ずつ自動で下書きさせます。仕分けと下書きはAIに渡します。送る判断と最終確認は、人に残します。

場面昔と今
これまで
  • 古い記録を担当者が読み返す
  • 失注理由を見ずに一斉送信
  • 全社に同じ文面をまとめて送る
いま
  • 見積書とメモをAIが読む
  • 失注理由を5分類に仕分ける
  • 理由別に1社ずつ下書きする

やると、こう​変わる。失​注理由5分類で​1社ずつ​違う​文面

失注した見積もりをAIに読ませます。断られた理由ごとに分類してもらいます。再提案のメール(電子メール)も下書きさせます。1社ずつ切り口を変えるんです。棚で眠っていた見積もりを、もう一度お金に変えるやり方です。

実際にやる方法

いくらかかるか。​1シート​月額1万​800〜​1万2000円

値札お金の流れ
払う側見積もりを出したまま止まった案件が眠る中小企業
払う1シート月額1万800〜1万2000円+導入支援18万円
受け取る理由別の失注リストと再提案の下書き
提供する側生成AIとSFA/CRM、担当者1人
相手

見積もりを出したのに、返事がないまま止まっています。そんな案件がExcelや紙、営業担当の記憶に何十件もある会社です。社員6〜50人程度で、営業担当は数人しかいません。新規の商談対応で手一杯です。そうした製造業・建設業・卸売業の社長に向いています。

売り方と価格

外部委託の相場には、公開情報がありません。ここでは相場を書きません。自社でやるなら、AIで文面を下書きします。仕組み化にはSFA/CRMを使います。顧客と商談の記録を貯めるソフトのことです。

たとえばHubSpot Sales Hub Professionalです。料金は1シート(利用者ごとの契約枠)あたりです。月額1万800〜1万2000円です。導入支援18万円が加わります(HubSpot Japan公式サイトで確認)。

必要なもの

過去の見積書・商談の記録・メールのやり取りが必要です。最低でも、失注理由が分かる記録を用意します。読み込ませる生成AIも必要です。ChatGPT(生成AI)などの一般的なもので足ります。SFA/CRMがあると仕分けが楽ですが、必須ではありません。最初は担当者1人と表計算ソフトで回せます。

AIに任せられないのは、​6工程のうち​3つ

AIAIと人の分担AIか道具がやる人がやる
  1. 1失注見積を集める
  2. 2見積とメモを読む
  3. 3失注理由を5分類
  4. 4理由別に文面を下書き
  5. 5価格と納期を確認
  6. 6送るかどうか決める
AIに任せる線

AIは大量の見積書と商談の記録を読みます。任せるのは、失注理由の分類です。理由別に切り口を変え、1社ずつ下書きを量産させます。送るかどうかは、人が最終判断します。価格や納期など、約束に関わる部分も人が確認します。ここを外すと、AIが勝手に条件を書いた文面を送る事故になります。

詰まりそうな所

最初の壁は、取引の記録を生成AIに読ませる抵抗感です。社内の誰もが、断った相手への再連絡を気まずく感じます。その心理面の壁で、後回しになります。失注理由が営業担当の頭の中にしかない会社もあります。記録がないと、棚卸し(過去の案件の整理)の段階で止まります。

最初の30日

詰まる所最初の30日
  1. 1〜7日直近1年分の失注見積もりを探し出す
  2. 8〜14日案件ごとに一覧のリストにする
  3. 15〜30日失注理由を一言でタグ付けする

8割が​2​年以内に​競合へ。​根拠になる​4つの​数字

項目値誰の発表か・条件扱い
放置した失注案件の競合流出8割が2年以内(シリウスディシジョンズ社調査/日経xTECH2015年紹介)米調査会社シリウスディシジョンズ。日経xTECHが2015年3月18日公開の記事で紹介した調査第三者の調査
再商談化率(試算)10〜20%大畑。再商談化率そのものを実測した公開調査は見つからず、試算とした大畑の試算
失注理由の分類軸5カテゴリ(価格・競合・製品機能・タイミング・プロセス)start-link.jp。同サイトが公開する失注理由5分類のフレームワーク第三者の調査
SFAツールの月額1シート1万800円〜1万2000円HubSpot Japan。料金ページの表示額。Sales Hub Professionalの1シートあたり公式公表

出典 日経xTECH(2015年3月18日公開)がシリウスディシジョンズ社調査を紹介した記事、才流とailead.appの失注掘り起こし手順の記事、start-link.jpの失注理由5分類フレームワーク、HubSpot Japanの料金ページを2026年8月30日に確認した。再商談化率そのものを実測した公開調査は見つからず、試算とした。

これを​商売にするなら

まずは買う側の得です。断ったあとも、同じ悩みが残りがちです。米調査会社シリウスディシジョンズの調査を、日経xTECHが紹介しています。営業が見込みなしと判断して放置した商談があります。その8割は、2年以内に競合から購入しています。2割は、競合にも流れず宙に浮いたままです。

売る側は、宙に浮いた客にもう一度働きかけます。新規開拓より、ずっと安く済むんです。名刺交換からやり直す必要がありません。見積書をもとに、具体的な会話の続きから入れます。新規は出会うところから始まります。掘り起こしは再開するところから始まります。

向いている会社

  • 過去の見積もり・商談記録がExcelや紙で残っている会社
  • 営業担当が数人しかおらず新規開拓で手一杯の会社
  • 単価の大きい見積もりを出す業種(建設・設備、製造の受注生産)

向かない会社

  • 失注案件の記録がほとんど残っていない会社
  • そもそも見積もりを出す機会が年に数件しかない会社
  • 一度断られた相手への再連絡を社内が強く嫌う文化の会社
私の見立て

再商談化率は、再び商談になった割合のことです。実測した公開調査が見つからず、ここは試算です。棚卸しと分類の費用は、ほぼ人件費だけです。外れても損失は小さいです。「うちの失注案件はだいたい頭に入っている」と言う社長もいます。そんな社長ほど、一覧にすると記憶違いや漏れが出ます。

うちの会社でやるなら

自分の会社に当てはめると、どうなるか。

業種と人数を選んで、ひとつだけ答えてください。向き不向きと、その規模の会社での最初の30日が返ってきます。一度選んだ業種と人数は、次の記事でも覚えています。

例:製造・6〜20人の会社で「はい」なら、向き度は高。理由が3行と、その規模での最初の30日が返ります。向かないときは、代わりに効く記事を1本すすめます。

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